愛猫のラズリがうちにやってきたのは一昨年の夏。
猫に関する知識は全くと言っていいほど無かった当時のわたしはご飯やトイレ、遊びなど最低限のことしか出来ていませんでした。
母がいつもどおり洗濯物を干しにベランダへ出る時に、ラズリも一緒にスルッと出てしまったのです。
わたしもたまたまそれを目撃したのですが、この時はまだ二人ともそれほど焦ってはいませんでした。
というのも、実はベランダには何回か出たことがあったのです。
ラズリも外行きたいよねーなんて言いながら、少しの間ですが見学させていました。
その時はヒョイっと簡単に連れ戻せたのですが、今回は何かが違いました。
私たちが手を伸ばすとベランダの端の方へ逃げていき、追いかけると今度は反対側に猛ダッシュ。
こちらの動きのパターンから連れ戻されることを悟ったのか、右へ左へ逃げる逃げる。
いつもなら簡単に捕まえられるのに、こんな時に限ってなぜか上手く捕まえられない。
いよいよマズいと思い、本気で捕まえに行ったその時、恐れていたことが起きました。
2階のベランダからぴょーんと飛び降りてしまったのです。
すぐに下を確認しましたが、既に何処かへ行ってしまった後でした。
本当に一瞬で、今まで見たことのないようなスピードを出して、躊躇することなく消えていったのです。
それまで心のどこかで大丈夫だろうと思っていたのですが、飛び降りた途端、頭が真っ白になり「もう二度と会えないのではないか?」という最悪の事態がよぎりました。
捜索は一体どのくらいの時間に及んだのでしょう。
1時間だったのか?10分くらいだったのか?はっきりとは分かりません。
しかし、それほどパニックになり恐怖心でいっぱいだったことだけは今でもよく覚えています。
幸い、家の近くで隠れているところを無事に保護することが出来ました。
病院にも連れて行きましたが、異常はありませんでした。
その日は一日中呆然としていて、無事に帰ってきた愛猫の顔をじっと見つめ、”本当に良かった”と思うことしか出来ませんでした。
しかし次の日になるとまた脱走の恐怖が蘇り、不安から何にも手に付かない。
このまま何もしなければまた同じことが起こってしまうんじゃないか?
そんな不安を解消すべく、その日から本格的な脱走対策に乗り出しました。
ありとあらゆる脱走経路を塞ぎ、家族でルールも決め、最も危険な玄関は2階に脱走防止扉を置くことでクリアしました。
あれから1年、ラズリは脱走することなく平和に暮らしています。
当時は不注意が原因だとばかり思っていましたが、今ではあの事件は起こるべくして起こったのだと言うことがはっきりと分かります。
あのままでは遅かれ早かれ脱走されていたことでしょう。
あの瞬発力とスピードは、脱走を経験していなければ想像もつかないものでした。
猫がすばしっこいと頭では分かっていても、実際に、しかも突然ダッシュされてしまうと手で止めるのは困難です。
(当時、ラズリは生後6カ月ほどでまだ身体も小さかったのですが、それでも突破されてしまいました)
つまり、本気になればいつでも外に出られる状況が1日に何度もあったわけです。
わたしの場合、初めての脱走が大事に至ることなく脱走の恐ろしさをしっかりと認識することが出来て、本当にラッキーだったと思っています。
しかしまだ経験していない人は、初めての脱走が永遠の別れになるかもしれません。
今、あなたの愛猫はどこにいるでしょうか?
ちゃんと家の中にいますか?
さっき玄関を開けた時は大丈夫でしたか?
もしかしたら気付かぬうちに出てしまっているかも…
そんな不安や恐怖を抱えている人がわたしの他にもたくさんいることを知る機会がありました。
わたしはツイッターやYouTubeで毎日愛猫の写真や動画をアップしているのですが、それを見た方から脱走防止扉に関するいくつかの質問が届いたのです。
自作できれば良いのですが、作れる自信や時間が無く困っている方もおられました。
そこで、うちで使っている脱走防止扉をお譲りしようということになったわけです。
猫を家族と考え本当に大切にしているにも関わらず、脱走対策が出来ていない…
脱走が危険だと分かっているのに対策方法がわからない。
守りたいけど守れていない。
そんな危険な状況を改善するため、何としても愛猫がいなくなってしまう前に使ってもらいたい!そのように思っています。
これから長く続くあなたと愛猫の猫ライフに是非お役立てください。