鶏の世話は日常茶飯事。仕事とプライベートの境目はあるようでないもんだ。
季節の香りを連れてくる山の風。竹林からのやさしい木漏れ日。そんな大自然に囲まれた滝ヶ原の平飼い養鶏は、朝、扉を開け颯爽と出てくるにわとりを観察することから始まる。夕方の放牧が終わる頃には、歳を重ね勢いの無くなってきたボスが群れをまとめ家に帰ってくる。みんなの顔色を伺いながら点呼をとり、「また明日ねっ」というのがわたしの日課となっている。
山での平飼い養鶏は、イタチなどの天敵も多い。大切な命が目の前で消える時、わたしに心の準備などない。
ヒヨコから育てたからこそ目が離せなかった大切なクロミ。彼女はわたしを信頼し、また、わたしも彼女を信頼していた。私の肩に乗り、愛嬌を振りまくクロミを見にきてくれる方も多く、間違いなく彼女はここのスターだった。胴体だけとなった彼女を見つけた朝、感じたことのない悲しみと、守れなかった自身への怒りに押し潰されそうだった。彼女は何かの一部になったんだと、そう言い聞かせながら黙々と修復作業に打ち込んだ日々を昨日のことのように思い出す。
にわとりの餌は地域の食料残渣を回収し、発酵させたものを与えている。特に緑餌の少ない冬は「あこちゃん。鶏はこの野菜食べるけ?」と畑の残渣を持ってきてくれるご近所さんに助けられている。お礼に卵を贈り、味の感想を聞き品質調査。この流れがまるでチームのようで、とても心地がいい。
地域循環型で鶏を育てるということは、隣人、農家といったコミュニティの一員になるということでもある。楽しんで取り組むことで、自然と
Last chance to apply for November’s artist residency collaboration with New York collective @aerthship - full details below 🌏🛸
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Passenger Program is a pop-up artist residency prioritizing QTPOC from @aerthship and led by @mimizhuxiyuan The first version of the program takes (15) artists to Ishikawa, Japan to connect in symbiosis with Earth at @takigaharafarm from November 9-13.
Our five days together will be spent outside, relishing in the autumn foliage of the seacoast with writing and cooking workshops, mindfulness hikes, music listening and playing, evening meals by @edmondohongo
Apply via aerthship.com
Credits:
Artwork @m0henjodaro
Music @aerthship
和紙 堀江美佳
和紙づくりは、水と植物(楮・三椏・雁皮)の靭皮繊維を主原料として作られています。靭皮繊維(じんぴせんい)とは植物の表皮のすぐ内側にあるやわらかい内皮のことです。
その原材料の中でも雁皮から作られる雁皮紙の手触りは滑らかで独特の光沢を有しながら、丈夫で虫の害にも強いので、古来より貴重な文書や金札に用いられた和紙です。
滝ヶ原町では、その雁皮の採取場所の最北端のひとつとして知られています。発育が遅く険しい山肌に育つ雁皮は採取する後継者も減り、貴重な資源となっています。
現在、収穫から紙漉きまで一貫して行っている雁皮紙は日本のどこにもないそうです。担い手や需要の問題により、様々な土着の伝統文化が消えてゆく時代だからこそ、新たな工芸文化を一から生み出してもいい。
滝ヶ原の里山で採れた雁皮と流水を使い、滝ヶ原和紙という、今日まで存在しなかったこの地の新たな手工芸品をつくりたい。
あらゆるものが紙からスクリーンに凝縮されたことが、対極的に雁皮紙の自然美と、素材/存在価値をより一層引き立てくれる。
手を使って物を作り、生活することが遠のく時代の流れを飛び越え、人々とその美を再考する。
紙一枚の可能性は空のように広大だ。
Movie: @hadriengonzales
Music: @milo_nectro.x
Artist: @mikahoriemume
木地師 生地史子
木を回して削る、そんな職業があるんだ。石川県に来て初めて知った。7年前はじめてできた職人の友達、ふみちゃん(生地史子)。
毎日パソコンの画面を見つめて仕事をする人が大半のこの時代において、毎日回転する木を見つめて、同じ形の器を何個も作る彼女が纏うオーラは、
太い木のようにどっしりとしていて、枝の先の葉っぱのように柔らかい。ふみちゃんに初めて会った時、小さな木の妖精みたいだと思った。
器なんて100均でも買える。プラスチックとウレタンでできた丈夫なお椀を大量に作ることができるこの時代に、なぜ全身木屑に覆われながら一つ一つ手で木を削って器を作っているのか、始めは理解できなかったけど、滝ヶ原に来て職人の手で作られたお椀を毎日使うようになって、その意味が徐々に手や体から染み込んできた。
一見違いのない大量生産の器と職人が作る器。でも使うと明らかに違う。手触りや質感などの使い心地だけでなく、使い終わって棚に置かれているその佇まいはどこか凛として、静かに物として木がまだ生きていることが伝わってくる。
手仕事でできた物には魂が宿っている。形の中に形のない熱量を感じる。一個の物の凄み、手仕事の素晴らしさ。
器一つから始まり、中になにを注ぐか、例えばマルコメ味噌で作った味噌汁なのか、手前味噌で作った味噌汁なのか、それを食べる箸、置くテーブル、座る椅子、照らす照明、
全てに気が回り、木が回り、生活が形作られる。ふみちゃんと出会い、このことに気づかせてもらい、工芸・クラフトの世界が一気に広がり、もっと知りたいと思うようになった。
北
ニワトリ🐓
こんにちは、TAKIGAHARAでアーティスト・養鶏家として活動しているイハラアコです。
役者を夢見て18歳で上京し、27歳の時に脳出血で倒れたことをきっかけに自身の暮らしを見直し、「私にとっての豊かさとは何か?」を追求していた時、この地と出会いました。
幼い頃からニワトリのいる生活をしていた私にとって、養鶏はとても身近で自然なことでした。滝ヶ原では新たな挑戦として、地域循環型の養鶏を目指しながら、鶏糞を活用した畑をやっています。
移住してから1年が経ち、地元九州とは全く異なる厳しい冬を乗り越え、この1年で得た経験を1人でも多くの方に知ってもらうことで循環の規模を拡大できると思っています。
滝ヶ原たまごはTAKIGAHARA内にある小さな養鶏場から生み出されてて、
新潟地鶏・名古屋コーチンの雄鶏2羽、名古屋コーチン・ネラ(オランダ)・アローカナ(チリ)の採卵鶏24羽を飼養し、色とりどりの有精卵を生産しています。
・平飼い/放し飼い
滝ヶ原町のシンボル、鞍掛山の麓で夏の焼け付くような暑さ、冬の凍てつく寒さにも耐え、平飼いでのびのびと育っています。
山から流れる新鮮な湧水を与え、夕方には敷地外に放牧して様々な菌に触れてもらうことで感染症を予防するなど、健康な身体作りを心がけています。
毎日自由に走り回り、運動量の多い滝ヶ原たまごはハリのある濃厚な黄身と風味が特徴です。
・地域循環型養鶏
滝ヶ原たまごが大切にしているのは「地域循環」。
湧水/たまごの殻の再利用/地域の食料残渣を回収し、自家配合した発酵飼料を与え、愛情いっぱいに育てています。
地域のはじき米、飴かす、お