18/11/2023
《アニマルウェルフェア(動物の福祉)》
最近日本でも、良く聞くようになった「アニマルウェルフェア」という言葉。日本語では「動物の福祉」と訳される。
動物福祉とは、一般的に、人間が(利用したり、使ったり、作ったりする全ての)動物に対して与える痛みやストレスといった苦痛を、最小限に抑えるなどの配慮により、動物の待遇を改善しようとする考えの事。
私達犬の飼い主も、この「動物の福祉」について知っておくべきでしょう。
レストランや電車、公共施設にも「犬」を同行させられる、先進的なペット共生社会のドイツやスイスでは、この考え方が基本になって厳しい法律が定まっています。
「動物福祉」とは一言でいえば、「動物が精神的・肉体的に充分健康で、幸福であり、環境とも調和していること」です。
自分の気持ちの思うままに、気の向いたときだけかわいがることは、動物福祉が満たされているとは言えず、「かわいがっている=福祉に配慮している」とは言い切れないのです。
動物も人間も命あるものであり、感覚や感情があります。
人間以外の動物の基本的ニーズ(生理的、環境的、行動的、心理的、社会的)は、人間と共有している部分と、共有出来ない部分があります。
飼い主によって制限された環境にいる動物たちは、これらのニーズを自身で充たすことは出来ません。
ですから、飼い主には、そのような動物ができる限り快適に、できる限り苦痛を受けずに生活できるようにする義務と責任があります。
◎動物福祉の基本(5つの自由)
1.飢えと渇きからの自由
・その動物にとって適切かつ栄養的に十分な食物が与えられていますか?
・いつでもきれいな水が飲めるようになっていますか?
2.不快からの自由
・その動物にとって適切な環境下で飼育されていますか?
・その環境は清潔に維持されていますか?
・その環境に風雪雨や炎天を避けられる快適な休息場所がありますか?
・その環境に怪我をするような鋭利な突起物はないですか?
3.痛み・傷害・病気からの自由
・病気にならないように普段から健康管理・予防はしていますか?
・痛み、外傷あるいは疾病の兆候を示していませんか?
・そうであれば、その状態が、診療され、治療されていますか?
4.恐怖や抑圧からの自由
・動物は恐怖や精神的苦痛(不安)や多大なストレスがかかっている兆候を示していませんか?
・そうであれば、原因を確認し、的確な対応が取れていますか?
5.正常な行動を表現する自由
・動物が正常な行動を表現するための十分な空間・適切な環境が与えられていますか?
・動物がその習性に応じて群れあるいは単独で飼育されていますか?
・また、離すことが必要である場合には、そのように飼育されていますか?
ペット文化の進んだドイツやスイスと比べて、後進的な日本の「動物愛護管理法」も、ようやくドイツやスイスのような具体的な数値規制が、繁殖業や販売業に関して、3年後に完全施行されるようです。
因みに、ドイツやスイスでは、繁殖、販売に、もっと厳しく数値規制されています。
飼い主の飼養(飼い方)にも、厳しい法律が課せられています。
例えば、長時間(8時間以上)の単独留守番禁止、1日2時間2回の散歩の義務、「飼い主養成講座」を公認の施設で受講する義務等々。
我が国日本でも、義務教育期間中に、この「動物の福祉」を子供の頃から教育カリキュラムに組込み、徹底的に教育すべきなのだと思います。
#動物の福祉
#アニマルウェルフェア